過酷と幸せは共存する。人生がうまくいかない時期だからこそ実感できる言葉

   

この記事タイトルの言葉は、ヨットの回航中にキャプテンがふと呟いた言葉です。以前の記事でも書きましたが、ここ最近の私の仕事はヨットの回航です。仕事と言っても、会社に行って仕事をするように無理矢理させられている訳ではありません。ヨットは私の趣味の一つです。

ヨットの回航は、本当にうまくいかないことばかりで、何一つ計画通りには進んでいきませんでした。そんな中で、キャプテンがふと呟いた「過酷と幸せは共存する。」という言葉は、それまでの経験すべてを一つの言葉で描写したものだと感じました。

 

過酷

ヨットの回航の中で一番過酷だったのは、下田から御前崎に向かうときに経験した強風と高波の中の航海です。この内容は、以前の記事で書いていますのでぜひ一度確認してみてください。これは、「もう本当にどうしようもない」という経験でした。

何一つ計画通りに進まないヨットの回航

 

過酷だからこそ見えること

私は今回の経験で、過酷だからこそ見えることがあるということをすごく感じました。ここからは、このことについて少し書いてみたいと思います。私の拙い文章力では伝えきることは難しいかもしれませんが、少しでもその時に感じたことを感じてもらえたらという思いで書かせていただきたいと思います。

 

当たり前だと思っていた日常

ひとつ目は、当たり前だと思っていた日常が幸せだったということです。例えば、停泊しているヨットの中で仲間と楽しく会話をしたりご飯を食べたりすること、家族との団欒、温かい布団に入ってぐっすり眠れること、陸地の安全な生活など、このような普段気にも留めない当たり前の日常が、強風と高波の中で「もうダメかもしれない」と思いかけていた私にとっては奇跡のように思えました。

「もう一度そんなことができる時が来るんだろうか?」と。

私自身、今では本当に人生が楽しいと感じるようになりましたが、その反面、当然ながらうまくいかないことも多々あり、悩んだり辛い思いをしたりすることもあります。しかし、そんな悩んだり辛い思いをしたりすることでさえも幸せなことだったんだということに気付きました。

うまくいかずに悩んだり辛い思いをしたりしながら、うまくいくように試行錯誤をして失敗して、また試行錯誤して失敗して。そうやって一つの目標に向かって行動していた自分自身にさえ羨ましさ感じていたことを今でも覚えています。

 

初めての実感

そして、やはり一番強く感じたことは、ただ毎日生きれることの凄さです。普段生活している中で生き続けることが難しいと感じたことは今まで一度もありませんでしたが、強風と高波の中で死を覚悟したときには、素直に「生きれるってすごいことだったんだ」と思いました。

そして、それと同時に、普段の中でうまくいかずに悩んでいたことは、本当は大したことではなかったんだという思いも出てきました。そのうまくいかないことの中には、命の危険が伴うことは何一つないからです。それを改善しようとしまいと、生き続けることはできますから。

そして、生きている限りは、どんなことでも改善することができます。

 

人の強さ

そして、もう一つ強く実感したことは、人の強さです。航海を無事に終えた後に聞いたことなのですが、強風と高波の中、全員が死を感じていたそうです。その死を感じていたとき、それと同時に、私は人の強さも感じました。

それは、誰一人として諦めの言葉を言わなかったことです。台風とも思えるような強風、ヨットが余裕で埋もれてしまうほど高く途切れることなく襲い掛かってくる高波、辺り一面海でどこにも避難できる場所もない、港まではあと5時間以上、そのような危機的な状況の中で誰か一人でも弱音を吐いたら絶対に助からない!そう思いました。

このことは、全員が同じことを感じていたそうで、誰一人として諦めの言葉を言う人はいませんでした。それどころか、全員無事に港までたどり着くという一つの目標に向かって、それぞれが他のクルーのことを気に掛けながら行動していたように感じました。

まさに、団結していたんだと思います。

 

今まで見たことない景色

強風と高波との闘いは、日が暮れて辺りが真っ暗になってからも続きました。風も波も少しも弱まることなく、真っ暗な嵐の中、ただ次々に襲って来る高波を乗り越え続けるしかありませんでした。

どこからともなく襲ってくる波でヨットが急に傾いたり、海に叩きつけられたりする中で、私はふと「今空を見上げたら星がきれいだろうな」と思いました。そして、空を見上げてみると、そこには今まで見たことない光景が広がっていました。

海を照らすほどの明るい星空でした。「星空って本当はこんなに明るいんだ!」と、その時思いました。

そして、こんな光景を観ることができたのは、過酷な経験があったからなんだとも思いました。この時は、恐怖や寒さはどこかに消えてしまっていて、あのような命の危険にさらされている時に不謹慎かもしれませんが、感謝の気持ちでいっぱいになりました。「こんな経験ができて良かった」と。

 

過酷を経験して

人生がうまくいかない時期は誰にでもやってきます。というよりも、人生の大半がうまくいかないことばかりだと思います。今回の回航でも、計画通りに進んだことは一つもありませんでしたし、安全に航海できたことはほとんどありませんでした。

この記事の中でもお伝えしている下田~御前崎間で起こった強風と高波もそうなのですが、それ以外にも、当日の予報以上の急激な強風が吹き始めたために航路を引き返し近くの漁港に避難したり、その避難した魚港では、大潮の影響でキール*が海底に付き、ヨットが大きく傾いてしまい沈没の危機に陥ったり、エンジントラブルで海上保安庁に救助していただいたり。

※キール・・・ヨットの船底中央部あたりに付いていて、ヨットが横に傾いた時に水平に復元させる役目を果たす錘の入ったボード

しかし、そんな中でも、諦めずにその時に出来ることを考えて行動を起こしていく事で、予定よりはかなり遅れてはいますが、少しずつ少しずつゴールの港には近づいてきています。そして、今ではゴールまであと一歩のところまで来ました。あとは、6時間ほどの航海を残すのみです。

今回の回航での経験の数々を一言で表すと、「過酷」です。しかし、過酷だったからもうヨットを止めたいと思っているかというと、まったく思いません。むしろ、その逆です。

またヨットで色んな港を回って、今度はもっと距離を伸ばして、長い時間をかけて航海したいと思っています。なぜなら、今回の回航での経験は、人生の財産とも思えるほど幸せな経験だったからです。

死を覚悟した航海で、無事に港についた時にみんなで抱き合いながら生きている喜びを分かち合ったり、航海の後に食べる梅茶漬けや桃缶の幸福感だったり、疲れ切った体に染みわたるお風呂の有難みだったり、今まで見たことないほどの星空を観ることができたりと、過酷だった反面、普段では感じられないほどたくさんの幸せを感じることができました。

まさに、「過酷と幸せは共存する」ということを身をもって実感しました。

 

人生がうまくいかない時期にすべきたった一つのこと

私は、今回の航海で一番学んだことがあります。それは、諦めないことです。どうしようもないと思えるほどの困難だとしても、諦めずにゴールに向かって行動を起こし続ければ、必ずゴールにはたどり着くことができるということを体感しました。

人間関係がうまくいかない
仕事がうまくいかない
自分に合った仕事が見つからない
自分に合ったライフスタイルが見つからない
人生が楽しくない

人生がうまくいかないと感じる理由は人それぞれだと思いますし、人間関係も、仕事をうまく進めることも、人生を楽しむことも、一筋縄ではいかない悩みだと思います。これまでに何度も何度も繰り返し改善しようと試みてきたけど改善することができなかったという人はとても多いと思います。

しかし、もしそれが、あなたがどうしても達成したいと思える目標なら、諦めずに行動を起こし続けてみてください。今まで何度もトライ&エラーを繰り返してきたなら、今度はその倍トライ&エラーを繰り返してみてください。それでもまだ達成できないなら、またその倍トライ&エラーを繰り返してみてください。

目標に向かっている途中は近づいている実感が湧かないかもしれませんが、諦めずに行動を起こし続けていれば、ちゃんとゴールには近づいていきます。そして、目的地に近づいてきて、ゴールに近づいてきていることを実感できて、自分のやってきたことは間違いじゃなかったんだと思える日が必ず来るはずです。

 

参考になると思った2人の名言

このことについては、他の方のブログで紹介されている中で、いいなと思った有名人の言葉を引用させていただきました。その2人の有名人は、美輪明宏さんと秋元康さんです。

 

バランスが大事

まずは、美輪明宏さんの言葉を紹介したいと思います。今から紹介する言葉は、美輪明宏さんが、30代の方の「人生がうまくいかないときはどう切り替えればよいですか?」という悩みに対して回答した言葉です。

人間にはバイオリズムがある。

この世の中は2つのモノで構成されているんですね。宇宙の法則、正と負、プラスとマイナス、陰と陽、光と闇、吉と凶、まったく違うモノ。

それなのに、みんな片方だけを望んでしまうんですよ。幸せだとか、明るいとか、光だけとか。もし、昼間だけだったらどうします? この世の中。

闇がなかったら、明かりも光も出てこない。陰がないんですよ。だから人間はものすごい調子の良い時があるけれど、最高潮に良いモノを手に入れない方がいいんです。

功績があり、最高に素晴しい賞をもらう。例えば、ハリウッドスターならアカデミー賞とか、アカデミー賞をいくつも貰うと、ろくな死に方をしないと向こうでは言われている。そういうこと。

日本でも凄いモノを貰うと、だいたい病気になるか怪我なさるか、亡くなったりする。身分不相応な大邸宅を建てた人には、同じことが起こる。

だから、昔の人は『負の先払い』といって、棟上げ式(むねあげしき:新築の際に喜び、感謝するお儀式)の時に、紅白のお餅を撒いたり、近所の人を呼んでお酒を振る舞ったり、五十銭玉、五円玉を撒いたり…負の先払いをしていた。だからバランスなんです。

悪い時期っていうのは、どこの扉を叩いても開かない。外へ向かおうとしてもドアが開かないから、じゃあどうすればいいのか? 内に向かえっていう指令なんです。

内に向かうっていうのは『棚卸し(たなおろし)の時期』。バーゲンセールの時期じゃない。

だから品物を揃えなさい。美・知識・教養・技術、そういう自分の財産を増やしておきなさい。そういう時期だよ。

それで、セールの時期がくると、アレ? って思うくらいに色んなところに突破口が開けていくんです。そういう時に貯めてたものをバーっと出すと、人生がうまく回り出す。回り出したら最高までいかないうちに、人生は2番3番手で引いておいたほうが無事でいられる。

あっちがダメならこっちがあるさ。こっちがダメならそっちがあるさ。なにか突破口があるんですよ。

(参照元:FEELY

 

努力を続けて、チャンスの順番を待つ

次に秋元康さんの言葉を紹介したいと思います。この言葉は、秋元康さんが自身がプロデュースするAKB48の中の非選抜メンバーに対して掛けた言葉です。

次の仕事をする前に、もうひとつだけお話ししておきましょう。
成功するためには、何が必要か?

………運です。

僕はこの38年間、スターと呼ばれる人たちを見て来ました。
僕も何人もプロデュースして来ました。
そこで見たものは、運です。
どんなに実力があっても、
運がないとスターにはなれないのです。

じゃあ、努力をしていても無駄なのか?
努力は報われないのか?
そんなことはありません。
努力は必要です。
言い方を変えれば、
努力は成功するための最低条件です。

みんな、必死に努力して、
じっと、チャンスの順番を待つしかないのです。
大ベストセラー「もしドラ」を書いた岩崎夏海は、僕について16年後に成功しました。
僕のドライバーをやっている時も、
ずっと、小説を書いていたんですよ。

いつか、必ず、チャンスの順番が来ると信じなさい。
自分の境遇の悪さだけを嘆いていても始まりません。

頑張れとしか言えないんだ。

僕がチャンスを作っているのではありません。
僕からのチャンスを待っている間はだめですね。

「私だって選抜に入れば…」
「私だってドラマに出れば…」
「私だってコマーシャルに出れば…」

それがチャンスだと思っているかもしれませんが、それは違います。

それは、チャンスの出口です。
みんなに見つけて欲しいのは、
チャンスの入り口です。

例えば、松井咲子。
彼女のチャンスの入り口は、
音大に入ったことです。
趣味の域を越えているから、
代々木でコンサートをやった時、
「ポニーテールとシュシュ」を
弾いてもらったのです。
「TEPPEN」にも繋がり、
ぐぐたすで、さらにブレイクした
ということです。

アルバムを出すのは、
チャンスの出口です。
このアルバムを名刺がわりに
どう進むか?です。

選抜も、コマーシャルも、番組も、
僕が一人で決めているわけではありません。
最終決定権は僕にありますが、
いろいろなスタッフの意見を聞きます。
そこに、もっと、いろいろな名前が出て欲しいんですよね。
つまり、松井咲子のような小さな努力や運が見えて来ないんです。

今の自分にできることを考えなさい。

(参照元:MakeYouSmile

 

まとめ

今回は、僭越ながら大変恐縮なのですが、私の個人的な体験とそこから感じたことをお伝えさせていただきました。今回の回航の経験では、本当にうまくいかないことばかりでしたが、それを乗り越えてゴールに近づいているという実感を得ることができました。

この経験を伝えることが、人生がうまくいかないと悩んでいる人にとって、その悩みから抜け出すために何か少しでもヒントになるのではないかと思い、今回書いてみようと決心しました。拙い文章力で伝えきれなかった部分が多々あると思いますが、何か少しでも感じてもらえたらとても嬉しいです。

 

 

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