先日、10月12日に公開された映画「音タコ」を観に行ってきました。今回は、その時の感想を書きたいと思います。少しネタバレしてしまっている部分もありますので注意してください。
映画「音タコ」とは?
音タコは、「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!」の略です。タイトルが長いので、ここからも「音タコ」と書かせていただきます。
音タコは、驚異の歌声を持つ奇跡のロックミュージシャンのシン(阿部サダヲ)と声の小さすぎるストリートミュージシャンのふうか(吉岡里帆)の出会いから起こる様々な奇跡を描くロック・コメディ映画です。
TOHOシネマズの映画紹介では、次のように紹介されています。
驚異の歌声を持つロックスター、シン(阿部サダヲ)。その存在自体がロックであり、カリスマ的な人気を誇っているが、実は彼には秘密があった。彼の歌声は「声帯ドーピング」というオキテ破りの方法によって作られたものだったのだ。長年にわたる声帯ドーピングの副作用で、限界が近づく喉に焦りと恐怖を抱える彼が出会ったのは、異様に声の小さいストリートミュージシャン、ふうか(吉岡里帆)だった。2つの歌声が出会ったとき、世界を変えるほどの奇跡が起きる!?
(参照元:TOHOシネマズ)
これは映画を観終わった後に知ったことですが、「音タコ」は、原作ありきの作品が多い中、完全オリジナルの脚本なんだそうです。
音タコの中では、役者の人たちの役柄は、普通の人が一人もいないというほどみんなクセのある性格をしていたり、「いいのいいの!ブライアンいーの」「タンポポのポは一ついらねぇんだよ」などギャグもたくさんあって、三木聡の世界観が堪能できる作品でした。
声の小さすぎるストリートミュージシャンを演じた吉岡里帆さんは、「いいのいいの、ブライアン・イーノ」という台詞を挙げて次のようにコメントしています。
「大変な時もまぁいっか、明日頑張れたらいいか、と思えるような台詞が三木聡監督の作品にはたくさん散りばめられているんですけど、それがとても顕著に表れている台詞だなと思います」
(参照元:「音タコ」NEWS←現在は閉鎖されています)
コメディだけど、感動してしまいました!
「音タコ」は、コメディ映画ではありますが、私は、みんなが笑っている中泣いてしまいそうになっていました。今でも、予告映像を観ただけで涙がこみ上げてきます。
この予告を観て、阿部サダヲが演じる奇跡の歌声を持つロックミュージシャンのシンが吉岡里帆が演じるストリートミュージシャンのふうかに対して尽くしたこと、逆に、ふうかがシンに対して尽くしたこと、この二人の関係性を思い出すだけで涙が出そうになってしまいます。
この映画の趣旨とは違うかもしれませんが、「本当に自分はまだまだだな」「もっと頑張らなきゃ」と思わされました。
やらない理由を見つけてるだけ!
私が、この映画で一番印象に残ったのはギャグではありません。シンがふうかに言った「お前はやらない理由ばかり見つけているだけ」という言葉でした。
この言葉、シンがふうかに対して「なんで大きな声で歌わないの?」と問い詰めた時、ふうかから出てくる言葉が自分を守るための言い訳ばかりだったことをきっかけに、シンがふうかに言った言葉です。
ネタバレになってしまいますので、ここではあまり詳しいことは書かないことにしますが、「やらない理由を見つけてるだけ!」という言葉は、すごく心に残る言葉でしたし、すごく自分自身に当てはまると思いました。
人が何かをするとき、自分の都合ばかりを気にしているとそれを理由に行動できなくなるんだと思いました。
人が行動を起こすとき、自分の都合は関係ない
そして、人が行動するときには、自己都合は関係ないんだと思いましたし、むしろ、排除すべきなんだとも思いました。
人は、自分一人では変われないと思います。他人との関りの中で初めて変われると思っています。
もし自分が、楽しみを経験したいなら、まずは相手を楽しませること。
もし自分が、喜びを経験したいと思うなら、まずは相手を喜ばせること。
もし自分が、感動を経験したいなら、まずは相手を感動させること。
このように自分が手に入れたいと思うことは、それを相手に提供することで初めて手に入れることができると、これまでの人生で学ばせていただいてきました。
そして、これらを提供するために自分の都合は関係なく、ただ相手の求めていることをひたすら提供すること。それによって、人は自分が手に入れたいものを手に入れられるのだと思っています。
ロック・コメディ映画「音タコ」は、私にとって、このような人間の本質の部分を思い出せてくれる映画でした。
「音タコ」は、レビューでは、あまり良い評価がされていないようですが、絶対に一度は観た方が良いおススメの映画です。